インタビュー

市民の文化活動レポート
#03 エマイユ・フィルハーモニック

第18回定期演奏会(2025年4月)日立システムズホール仙台コンサートホールにて
写真:今田 亨

 
仙台市内では音楽や舞台芸術、ボランティアやNPOなどの多様な団体が思い思いの文化活動を行っています。本特集「市民の文化活動レポート」では、様々な団体の取り組み内容や、活動に込めている想いなどをお伝えしていきます。
今年度は、主に市民オーケストラを取り上げます。第3回目は、宮城教育大学管弦楽団の卒業生を中心に結成されたエマイユ・フィルハーモニックについて運営委員長(チェロ奏者)の奥山雅敏さんに紹介していただきました。

活動内容を教えてください。

エマイユ・フィルハーモニックは、宮城教育大学名誉教授の渡部勝彦先生が音楽総監督兼常任指揮者を務めるオーケストラです。定期演奏会と混声合唱団「みやぎコーラルハーモニー」との宗教曲演奏会を、それぞれ年1回開催しています。どちらも、約4ヶ月前から10回ほどリハーサルを重ねて本番を迎えますが、本番で指揮をとる渡部先生が、音楽監督としてリハーサルの段階からすべて指導してくださるこの形は、アマチュアオーケストラでは珍しいと思います。

第18回定期演奏会(2025年4月)日立システムズホール仙台 コンサートホールにて
写真:今田 亨
渡部先生による練習風景(2025年6月)

混声合唱団との共演は活動の特色の一つですが、どういう経緯で企画されたのですか。宗教曲の魅力も教えてください。

アマチュア合唱団の場合はピアノ伴奏が一般的ですが、みやぎコーラルハーモニーは、オーケストラとの共演を前提に、渡部先生の主導で設立されました。演奏会は、先生の熱意から生まれた企画です。
宗教曲は通常の管弦楽曲と異なり、神への感謝や畏敬を表す曲なので、作曲家が最高の技法を使い、一つ一つの音符に魂を込めていたことを感じます。演奏の難易度も上がりますが、今年8月の演奏会でも、合唱とオーケストラの一体感についてお褒めの言葉を頂戴するなどうれしい反響を数多くいただきました。

みやぎコーラルハーモニー第16回定期演奏会(2023‎年‎7‎月)‎日立システムズホール仙台コンサートホールにて

この活動(文化・芸術活動)が目標としていることと、楽団員について教えてください。

エマイユとは、フランス語で「七宝」の意味です。指揮者、演奏者、聴衆、作品、演奏空間、地域を「音楽を愛する心」でつなぐことを目標にしています。
楽団には、学生時代に渡部先生の薫陶を受けたメンバーが多く、音楽教師やプロの演奏家もいますし、管弦楽での演奏経験がなかった方もいます。10代から80代と年齢も幅広く、職業もさまざまですが、リハーサルでは爆笑が起きる場面も多くいつも和やか。演奏法や管弦楽作品の解釈について、積極的に学ぼうという姿勢にお互いが刺激を受けています。

渡部先生の指導に真剣に応える団員の皆さん 練習風景(2025年5月)

これまでの活動で特に印象深いエピソードを教えてください。

仙台国際音楽コンクールの入賞者であるメルエルト・カルメノワさん(第6回ヴァイオリン部門第5位/2017年5月の 第12回定期演奏会)とエリアス・ダビッド・モンカドさん(第7回ヴァイオリン部門第5位/2022年11月の 第15回定期演奏会)との共演では、素晴らしい演奏に圧倒されました。モンカドさんとの共演は、コロナ禍のため演奏会が2度延期されましたが、2022年11月の第15回定期演奏会でようやく共演が叶い、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

第12回定期演奏会(2017年5月)
ヴァイオリン独奏:メルエルト・カルメノワ(第6回ヴァイオリン部門第5位)
日立システムズホール仙台コンサートホールにて
第15回定期演奏会(2022年11月)
ヴァイオリン独奏:エリアス・ダビッド・モンカド(第7回ヴァイオリン部門第5位)
日立システムズホール仙台コンサートホールにて

今後の活動について教えてください。

演奏会のリハーサルを重ねるたび、渡部先生の指導が浸透してテンポや強弱法の変化の幅が大きくなり、エネルギーのこもった音楽が姿を現します。このような指導のもとで、プロの演奏家は演奏技術の向上が人生の目標になりますし、音楽教師は自らの演奏経験を教育現場で生かしています。全メンバーに共通するのは、管弦楽の魅力にハマり、少しでもうまくなりたいと練習に励む姿勢です。
来年2026年4月12日に第19回定期演奏会があります。12月7日から杜のホスピタル・あおばでリハーサルが始まります。それ以降のリハーサルも見学ができるので興味のある方はご連絡いただきたいですね。

第18回定期演奏会(2025年4月)日立システムズホール仙台コンサートホールにて
写真:今田 亨

掲載:2025年12月22日

取材:2025年7月

エマイユ・フィルハーモニック
・団体人数 52名
・団体創立/2004年
・おもな活動実績
定期演奏会、混声合唱団「みやぎコーラルハーモニー」との宗教曲演奏会を年1回のペースで開催しているほか、これまで宮城大学管弦楽団やMYU杜の混声合唱団との「宮城大学第九コンサート」、「渡部勝彦音楽レストラン」出演などの実績を持つ。19回目となる次の定期演奏会は2026年4月12日。ブルックナー交響曲第4番などの演奏を予定している。

見学ご希望の方は、以下のメールアドレスまでご連絡お願いします。
emailphilharmonic@gmail.com