連載・コラム

みんなの「童謡」

『季刊 まちりょく』特集記事アーカイブ

『季刊 まちりょく』vol.33掲載記事(2018年12月20日発行)※掲載情報は発行当時のものです。

 みなさんは「童謡」と聞くと、どんな歌を思い浮かべますか?2018年は子どもたちのためにつくられた童謡童話雑誌『赤い鳥』が誕生して100年目にあたります。これまでに時代ごと様々な「童謡」が生まれ、人々に愛されてきました。ここ仙台でも「童謡」を中心に児童文化運動が広がりを見せ、今も様々な方が「童謡」を大切にしながら活動されています。そんな「童謡」の今昔をご紹介します。

復刻版 日本近代文学館

「童謡」の変遷

 「童謡」は遠く飛鳥・奈良時代においては「子どもうた」ではなく「わざうた」と呼ばれる世間の「はやりうた」に近いものだったと言われています。次第に子どもたちが歌い継いできた「わらべうた」の意味で使われるようになりました。明治に入ると、これとは別に義務教育の音楽教材として「唱歌」がつくられるようになります。

 この「唱歌」に異を唱えたのが、児童文学者の鈴木三重吉でした。「唱歌」は教訓的で子どもの心情に沿わないとし、1918年、童謡童話雑誌『赤い鳥』を創刊。詩人の北原白秋や児童文学者の小川未明らを執筆陣に抱え、子どもたちのために芸術性の高い「童謡」や「童話」を提供しました。この動きは広がりをみせ、『金の船』『童話』『おとぎの世界』など同種の雑誌が次々に創刊されました。

『赤い鳥』創刊号(復刻版 日本近代文学館)
1984年に日本童謡協会が『赤い鳥』創刊日7月1日を「童謡の日」と定めました。

 当初「童謡」に曲はついていませんでした。しかし曲譜を求める声は多く、1919年5月『赤い鳥』に楽譜付きの「かなりや」(西條八十 作詞・成田為三 作曲)が掲載されました。

 大正から昭和にかけてレコードやラジオの普及とともに「童謡」は耳で楽しむものになりました。耳に心地よい歌詞が好まれ、それらは「レコード童謡」と呼ばれました。「童謡」は芸術的なものと大衆的なものとに分かれていきます。

 戦後、「童謡」ではなく「流行歌」を歌う少女、美空ひばりらの出現により、「子ども」=「童謡」という概念が崩れていきます。また時代とともに流行歌やテレビまんがの主題歌(アニメソング)なども「新しい童謡」とみなされ「童謡」の範囲は幅広くなります。

 昭和の終わり頃になると、「大人」が幼少の頃に親しんだ「古い歌」を懐かしむ「童謡ブーム」が起こります。「唱歌」や「わらべ唄」なども含め、「日本人の心のふるさと」を想起させる歌がその対象になりました。

 「童謡」は、時代の流れの中でその枠組みは変化してきました。私たちが現在イメージする「童謡」も、この先、形を変えていくかもしれません。しかし思い出の「童謡」は、一人ひとりの心の中で愛され続けることに変わりはないでしょう。

鈴木三重吉

小さな人たちのために、芸術として真価ある純麗な童話と童謡を創作する最初の運動を起したいと思いまして、月刊雑誌『赤い鳥』を主宰発行することに致しました。

「童話と童謡を創作する最初の文学的運動」

北原白秋

・・・童謡は作曲しないで、子供達の自然な歌い方にまかせてしまつた方が、むしろ本当ではないかとも思はれます。

『赤い鳥』「通信」1919年9月


「かなりや」は曲譜のついた「童謡」の第一号とされています。


芸術性よりも歌謡性を重視した「レコード童謡」に対する批判や議論は戦後も続きました。


*主要参考文献
『日本童謡事典』上笙一郎 2005年 東京堂書店
『日本の童謡 誕生から九〇年の歩み』 畑中圭一 2007年 平凡社
『童謡の百年』井手口彰典 2018年 筑摩書房

→トップに戻る

仙台での広がり

 『赤い鳥』や『金の船』『童話』『おとぎの世界』などの児童雑誌には、各地の読者が作品を寄せる投稿欄がありました。仙台から熱心に投稿していたのが天江富弥(あまえとみや)とスズキヘキでした。『おとぎの世界』の投稿欄で知り合った二人は、1921年、仲間を募り「おてんとさん社」を結成し、童謡雑誌『おてんとさん』を発行。「みやぎの子どもにはみやぎの童謡を」を謳ったこの雑誌は、地元の若者たちの作品や、子どもたちの童謡や絵を積極的に掲載しました。中央で活躍していた詩人の野口雨情や山村暮鳥、竹久夢二らも作品を寄せ、『おてんとさん』を応援しました。

1921年3月から翌年3月まで発行された『おてんとさん』。「童謡専門雑誌」と記されています。
1922年に雨情から送られた「おてんとさんの唄」の原稿。本居長世の曲がつけられ、現在も歌い継がれています。
天江富弥(左)とスズキヘキ(右)

天江富弥(1899〜1984)郷土研究家

八幡町に代々続く造酒屋天賞酒造の三男として生まれる。『おてんとさん』を創刊したほか、仙台七夕や郷土句会など、仙台の様々な文化を継承する活動に尽力した。


スズキヘキ(1899〜1973)詩人

父を早くに亡くし、家計を助けるために高等小学校を退学して郵便局に勤務。そのころから文学に心を寄せ、弟たちと手作りの回覧雑誌を出すなど詩作を開始。仕事をしながら生涯詩を書き続けた。


野口雨情と共に松島にて。右から3人目が雨情、5人目が富弥、6人目がヘキ。
写真は仙台文学館提供

 翌年『おてんとさん』は資金難から7号で終刊しましたが、「おてんとさん社」に集まった若者たちは、子どもたちと童謡を歌う催しや、影絵芝居の上演、林間学校、ラジオの放送劇など様々な活動を展開し、仙台の児童文化運動を盛り上げました。その活動は「おてんとさんの会」に引き継がれ、現在でも影絵・童謡コンサートなどが行われています。

『おてんとさん曲集・第二集』(2018年 おてんとさんの会 非売品)。「おてんとさん」社の活動から生まれた童謡を収めた曲集。約20年前に出版された第一集に続き、110曲が掲載されています。
仙台文学館「こども文学館えほんのひろば」での「おてんとさんの会」の影絵の様子。

→トップに戻る

歌声を届けた「東北うたの本」

 戦後、天江富弥の提案で「子どもたちに新しい夢を与えよう」と、新しい童謡が作られました。「おてんとさんの会」のスズキヘキ、刈田仁(かったじん)、富田博(とみたひろし)らが作詞を、福井文彦(ふくいふみひこ)、海鋒義美(かいほこよしみ)、佐藤長助(さとうちょうすけ)らが作曲を手がけ、それらの曲は1946年から1963年まで、仙台中央放送局(現在のNHK仙台放送局)から「東北うたの本」という番組で放送されました。仙台放送児童合唱団の歌声に乗って東北一円に届けられた数多くの歌は、今も大切に歌い継がれています。

『東北うたの本』(2015年「東北うたの本」を歌う会実行委員会 非売品)。放送された曲のうち、楽譜が現存する55曲をまとめたもの。
戦後つくられた「春の足おと」(富田博作詞・海鋒義美作曲)の詩碑。「東北うたの本」で放送され、教科書にも採択されました。1999年、仙台文学館の敷地に建立。
撮影:佐々木隆二

→トップに戻る

市内の童謡詩碑

向山中央公園

仙台市太白区向山3丁目18-1

野口雨情「おてんとさんの唄」詩碑
天江富弥「のんのさんのポッポ」詩碑
スズキヘキ「オテントサンアリガトウ」詩碑

活牛寺(かつぎゅうじ)

仙台市青葉区芋沢横向山155-1

スズキヘキ「ユキムシトテブクロ」詩碑
「おてんとさん社」に集まったメンバーによる「童心絡の碑」
スズキヘキ「ワンガマワシテイッタコドモ」詩碑

仙台市野草園

仙台市太白区茂ケ崎2-1-1

スズキヘキテーブル詩碑

このほかにも童謡碑はあります。ぜひ探してみてください。

→トップに戻る

幅広い世代に童謡を届けています
仙台童謡愛好会

 今年結成33周年を迎える「仙台童謡愛好会」。1985年に仙台市野草園の園長だった菅野邦夫さん、宮城フィルハーモニー管弦楽団(現・仙台フィルハーモニー管弦楽団)の片岡良和さんの協力のもと、宮城県おかあさん合唱連盟会員が集まって開催した「宮城フィルと歌おう花の詩の集い」が契機となり結成されました。シンプルで、伴奏がなくてもアカペラで歌える「童謡」は日本ならではのもの。子どもの時に覚えた歌を、パパやママになった時に子どもたちと一緒に、おじいちゃんおばあちゃんになった時に孫と一緒に歌ってほしいとの思いが、活動の原動力になっています。

 代表を務めるのは櫻井恵美子(さくらいえみこ)さん。ある講演で聴いた劇作家・井上ひさしの〈子どもは7歳までに獲得したことばがとても大切になってくる〉という考えに感銘を受け、子どもたちに「童謡」を伝えなければと思ったそう。次女の大津真樹子(おおつまきこ)さんと一緒に、現在102人の会員の方々の指導にあたっています。

櫻井恵美子さん(右)と大津真樹子さん(左)。お二人は「愛好会」結成前より、親子で出前コンサートを開催していました。真樹子さんは、大学卒業後仙台を離れますが、出前コンサートはとても評判がよく、回数を増やして、二人三脚で続けていました。

 会は3つのグループに分かれて活動。Aグループは「童謡班」で、懐かしい童謡を楽しみます。Bグループは「HAPPY RABBIT(ハッピーラビット)」。保育や児童教育に関わる現場の先生方が中心となり、保育園や幼稚園、保育士の研修などに出向いてパネルを使った子ども向けの公演を行います。Cグループは「合唱班」。市民センターや明治青年大学などで歌を発表しながら、コーラスを楽しんでいます。グループを分けたことで、各世代にぴったりの童謡を届けることができるようになったそうで、多い時は年に40回ほどコンサートに出かけたことも。活動は県内にとどまらず、過去には演奏旅行でニューヨークやウィーンに赴き、日本や宮城の童謡を披露したこともありました。

2001年6月、ウィーン楽友協会ゴールデンホールでウィーン少年合唱団と共演しました。

 歌うだけではなく、作詞者、作曲者、歌の背景など、基礎知識を学ぶことを心がけていますと櫻井さん。「どんぐりころころ」は松島出身の青木存義(あおきながよし)の作詞、日本で初めて三拍子の曲「港」を作曲したのは仙台出身の吉田信太(よしだしんた)、「うさぎとかめ」も仙台ゆかりの納所弁次郎(のうしょべんじろう)の作曲。そして戦後、子どもの歌文化を復興して広めたのは「東北うたの本」のラジオ放送。卒業式で歌われる「思い出のアルバム」、NHKみんなのうたの「山口さんちのツトムくん」も宮城で生まれた名曲。「宮城は童謡が昔から盛んだったのよ」と教えてくださいました。いい童謡は「どんぐりころころ」のように歌詞が日本語のアクセントと合っていて音域も考えられている。100年経ってもすたれませんね、と大津さんは語ります。

「HAPPY RABBIT」は子ども向けの「童謡出前コンサート」に力を入れています。
コンサート前の総練習。ずらりと並ぶ会員を前にテキパキと指示を出す櫻井さん。「笑顔で歌いましょうね。楽譜はみないで、お客様のお顔をみて歌いましょう」。

 「会員の中には90歳をこえる方や、施設から来られる方もいらっしゃいます。みなさん歌うことが生きる喜びになっていて、集まりを楽しみにされています」と櫻井さんと大津さん。「2020年の東京オリンピックの年まで頑張るが今の目標ですね」と、櫻井さんは頼もしい笑顔を見せてくださいました。

2018年10月に開催されたコンサートは満席。お客様も一緒の大合唱あり、手話を取り入れた童謡やストーリー仕立ての童謡ありと様々な趣向が凝らされていました。最後は今井邦男先生の指揮で、福島、山形をはじめ、宮城県内の童謡愛好会10団体と元会員170人が、東北六県の歌を大合唱。ラストはお馴染みの「荒城の月」。会場は大いに盛り上がりました。次回は2019年10月7日、日立システムズホール仙台での開催です。

→トップに戻る

親子で歌を楽しんでいます
母と子のうたごえサークル あめんぼ

 「子育て中でも歌を歌いたい」というお母さん4人が集まって、1989年に発足した「母と子のうたごえサークル あめんぼ」。現在、親子10〜15組が、毎月2回、地下鉄沿線の市民センターに集まって活動をしています。

 まずは「いとし子タイム」という親子の触れ合いから。絵本の読み聞かせや手遊びを行います。その後は「うたの時間」。親子で一緒に童謡をはじめ季節の歌や流行の歌、リクエストのあった人気のアニメソングなどを歌います。そしてお母さんたちの歌タイム。童謡に限らず、様々なジャンルの歌を歌います。その間は学生ボランティアさんが、子どもたちの面倒をみてくれるので、心おきなく歌を楽しむことができます。親子で、お母さんだけでと、それぞれで歌う時間があるのが「あめんぼ」のスタイル。また子育て期の笑いや涙を綴ったオリジナル作品を制作し歌っているもの特色とのこと。長年、サークルを音楽面をサポートし、曲も提供している長さん(瀧澤朝夫さん)は、子育ての歌も広い意味で「童謡」で、「お母さんが一緒に童謡を歌ってくれるだけでなく、お母さんたちの好きな歌や、子育ての歌を楽しんで歌っている。その姿を子どもたちに見せるのは大事なこと」だと言います。

「ドレミの歌」を歌いながら、みんなでグルグル。自然と笑顔になり声も張りが出てきます。
「お母さんたちの歌タイム」
子どもたちは学生ボランティアさんと一緒に本を読んだり、絵を描いたり。でも耳ではお母さんたちの歌を聴いています。
お母さんにギュ

 仙台という土地柄からメンバーには転勤族の方が多く、卒業したOG会員は全国各地に。繋がりは強く、毎年開催するコンサートには、駆けつけて手伝ってくれるそう。

「あめんぼ」のみなさん。11月のコンサートに向けてOGの方も手伝いに見えていました。コンサートで使用する「ぐりとぐら」の幕は14年前に作られたもの。大切に受け継がれています。

 高校時代に合唱部に所属していたサークル代表の大橋香朱美さんは、7年前に親子で歌える場所を探す中でこのサークルを見つけました。「自分が子どもの頃に歌っていた歌を、自分の子どもたちに伝えられるのがいいですね」と大橋さん。子育てに息詰まっても、親子で歌ってリフレッシュでき、歌を通してお母さん同士でつながることができるのが魅力ですと語ります。

大橋香朱美(おおはしかすみ)さんの「この一曲」
「紅葉(もみじ)」(高野辰之作詞・岡野貞一作曲)

小学校4・5年生の頃、小学生に上がったばかりの妹も一緒に家族で紅葉を見ながら歌いました。ハモるのが心地良かった記憶があります。歌うとその時の光景が鮮明に思い出されますね。長女が小学生になり、今度は母として一緒に歌う楽しみがあります。


母と子のうたごえサークル あめんぼ

[問合せ先]amenbo_utagoe@yahoo.co.jp


→トップに戻る

美しい日本語を大切に
親子童謡講座

 「あめんぼ」をサポートする長さんは「親子うたあそび応援団」の会員で「タッキー」という別名もお持ちです。「童謡」は親(祖父母)と子どもが触れ合える大切なツールだと、「童謡」誕生100記念企画「親子童謡講座 どんぐりころころ」を開催しています。0才から未就学児の親子の「どんぐり組」、幼児・児童(低学年)親子の「ころころ組」各20組を募集。どれだけ集まるか不安だったそうですが、定員を超える応募があってビックリしたと言います。

 お邪魔したこの日は、市内のみならず、塩釜や名取などからも未就学児の親子が集まっていました。まずは「幸せなら手をたたこう」、「大きな栗の木の下で」を親子で身体を動かしながら歌います。「しゃぼん玉」を歌う前には、作詞をした野口雨情について学びます。そしてストローを使ったボイストレーニングや母音の発声練習も行います。これは日本語の母音や子音を大切にして歌い、美しい日本語を子どもたちに伝えてほしいためとのこと。

 「〈童謡〉ファンは高年齢の方々に多いですね。〈童謡〉は外国の歌を元にしたものも多くて、国際交流もできるし、歌詞の内容や背景から学ぶことがいっぱいあります。若い人たちにつなげていくために、一緒に歌える場を作っていきたいですね」と意欲を語ってくださいました。

親子で触れ合いながら歌を楽しみます。
「しゃぼん玉」の作詞者野口雨情や曲のエピソードについて、リラックスした中で学んでいます。
ストローを使ってボイストレーニング。正しい発声には不可欠とのこと。

瀧澤朝夫(たきざわあさお)さん(長さん・タッキー)

「チューリップ」「ちょうちょう」「かたつむり」など長い間残ってきた歌はすごいですね。幼な子が歌える音階で作られている。戦後もいい歌がたくさん作られたし、30年前に生まれた「さんぽ」なんかも色褪せませんね。時代ごとの特徴があって、日本の童謡は豊かだと思います。


親子うたあそび応援団

[問合せ先]080-2824-7144(代表 瀧澤)


→トップに戻る

歌い継がれる歌を大切にしています
茂庭幼稚園

 仙台市太白区の茂庭幼稚園は地域に根ざした園を目指し、1986年の開園当初から近隣の施設との交流に力を入れています。この日は年長クラスの子どもたち62名が、ご近所の「茂庭苑」に出かけて歌と踊りをプレゼントする「交流会」が開かれました。「故郷(ふるさと)」「夕焼小焼(ゆうやけこやけ)」といった定番の童謡から、幼稚園で人気の「きのこ」などの歌を披露。苑の方たちは子どもたちの歌に手拍子で応じ、懐かしい歌では一緒に大合唱となりました。「茂庭苑」の菅田和美(すがたかずみ)さんによるとこの交流会は、みなさんが楽しみにされている催しとのことでした。

 茂庭幼稚園の阿部倫子(あべみちこ)先生は、「ご年配の方と子どもたちが一緒に歌える〈童謡〉はとても大切です」と言います。幼稚園は園長先生の方針で、伝統行事や昔から歌い継がれている歌を大事にされていて、10月には「お月見会」を開催。「昔は明かりが少なくて、お月様の光がとてもありがたかったんだよ」といった話をしながら、お団子を食べるお月見を体験し、お月様の歌を歌いました。毎日の園生活でも、新しい歌だけではなく、春は「チューリップ」、夏は「海」、秋は「どんぐりころころ」「大きな栗の木の下で」など季節に合わせた歌を取り上げて楽しんでいます。「おちゃらかほい」といった手遊び歌も子どもたちには人気とのこと。

 歌い継がれている童謡は、リズムやテンポが考えられていて歌いやすですねと阿部先生。

 「〈夕焼小焼〉は100年前の童謡ですが、今でもみなさんの心に響いている。私がおばあちゃんになった時、子どもたちがおじいちゃん、おばあちゃんになった時に、どんな歌を懐かしく思うのか、とても興味がありますね」とお話くださいました。

前日まで一生懸命に練習をした振付を見てもらいました。
一人ひとり向かいあって一緒に「幸せなら手をたたこう」を楽しみました。

阿部倫子先生の「この一曲」
「あめふりくまのこ」(鶴見正夫 作詞・湯山昭 作曲)

勤めてから出会った曲で、かわいい歌だなと思いました。子どもたちと歌をイメージしながら絵を描いたり、くまになりきって踊ったりと楽しみました。物語があってお話が広がるのがとても素敵ですね。

→トップに戻る

私の好きな童謡

 2018年10月19日(金)仙台文学館で開催された「荒城の月」市民大合唱*に集った方々に、好きな童謡とその理由を伺いました。

*「荒城の月」の作詞者土井晩翠の業績を讃えて、毎年命日の10月19日に開かれる催し。晩翠にゆかりの深い小学校の6年生と、市内で音楽活動をされている団体の方が、「荒城の月」や童謡などを歌います。

◆回答74件(10代、40代〜80代)/複数回答/コメントは抜粋

1位 19票
赤蜻蛉(あかとんぼ)(三木露風 作詞・山田耕筰 作曲)

赤とんぼが手づかみでとれるほどたくさん飛んでいた情景、まっ赤な夕焼け空の色(60代)
一番最初に聞いた童謡で思い出深いから(10代)
いつ覚えたのか意識できない程、生活の中に入っている(70代)
なつかしくて楽しいから(10代)
曲調と歌詞が好きです。夕焼けを思い出すようなとてもすてきな歌だと思います(10代)
幼稚園でよく歌っていたから(10代)

2位 11票
BELIEVE(ビリーヴ)(杉本竜一 作詞・作曲)

卒園式で歌ったので一番印象に残っています(10代)
幼稚園で毎日歌っていたから(10代)

3位 10票
どんぐりころころ(青木存義 作詞・梁田貞 作曲)

かわいい感じがあって、とてもなつかしいから(10代)

4位 8票
かえるの合唱(ドイツ民謡)

今でも遊んで歌うことが多いから(10代)
テンポが好きだから(10代)
いつまでも覚えていられる歌だから(10代)
いろいろな音がでてくるから(10代)

5位 7票
夕焼小焼(中村雨紅 作詞・草川信 作曲)

歌いながら母・姉と夕方散歩に出かけました(60代)
夕方遊び過ぎて帰る時、空が夕焼けになっていた光景を思い出す(80代)
歌うとなんとなく懐かしく、やさしい気持ちになります(60代)
小学校の帰りの山並みを思い出します(不詳)

森のくまさん(アメリカ民謡)

替え歌で歌っているから(10代)

大きな古時計(保富康午 訳詞・ヘンリー・クレイ・ワーク 作曲)

まったりした感じが好きだから(10代)
よく歌ったから(10代)

世界中のこどもたちが(新沢としひこ 作詞・中川ひろたか 作曲)

みんなで楽しく歌えるから(10代)
曲の雰囲気が好きだから(10代)


幅広く人気

故郷(ふるさと)

ゆっくりできれいだから(10代)
以前住んでいた田舎を思い出せるから(10代)

朧月夜(おぼろづきよ)

今昔の雰囲気が好き(10代)
情景がうかぶ(70代)

しゃぼん玉

幼稚園などでよく歌っていたから(10代)

荒城の月

一番心の中に残った曲だからです(10代)


10代

おべんとうばこのうた
→お友達と一緒に歌った思い出があり、楽しかったから
あんたがたどこさ でんでらりゅうば アルプス一万尺
→いつも手遊びをしていたから
→歌いやすいから
めだかの学校
→学校が楽しみになった歌だから
→リズムが好き
ぶんぶんぶん
→よく歌っていたから

→小さい頃から歌っているから
仰げば尊し
→お姉ちゃんの卒業式で歌っていたから
→ドラマでやっていたから
大きな栗の木の下で
→聞き馴染みのある曲だから
およげたいやきくん
→ストーリーが良いから
とんぼのめがね
→小さいころからよく歌っていて、今も歌うことがあるので
むすんでひらいて
→よく歌ったから
さんぽ
→心とかが盛り上がるから
こいのぼり
→小さい頃に歌っていたから
やぎさんゆうびん
→歌詞が覚えやすい
こぎつね
→唯一吹ける曲だから
紅葉
→景色を想像できるから
いつも何度でも
→ぼくの好みに合っているから
ねこふんじゃった
→面白い曲だから
うれしいひなまつり
→やさしい感じの歌だから
きらきらぼし
→リズムがいいから

お化けなんてないさ
メリーさんのひつじ
チューリップ
山の音楽家
小さい秋見つけた
すいかの名産地
思い出のアルバム
サッちゃん

南の島のハメハメハ大王
おもちゃのマーチ
一ねんせいになったら
あわてんぼうのサンタクロース
いとまきのうた
ABCの歌
げんこつやまのたぬき
クラリネットこわしちゃった
かもめの水兵さん
ぞうさん
手のひらを太陽に
あめふり
うさぎとかめ
おつかいありさん
線路は続くよどこまでも
きのこ
ちいさい秋みつけた
アンパンマンのマーチ
ちょうちょう
ずいずいずっころばし
ほたるこい
てるてる坊主


40〜80代

みかんの花咲く丘
→小さい頃ラジオで聞いたのが忘れられません
里の秋
→合唱で歌うようになって、ますます好きになりました
この道
→子どもの頃歩いた道を思い出します
スキー
→北国では冬の体育はスキーで、この曲を歌うと冬を思い出す
仲よし小道
春のあしおと
ママの作ったワッフル

虫のこえ
虫の楽隊

夕焼けとんぼ
→心がおだやかに、元気になります

ないしょ話
おくれ雁
のんのさんのポッポ
野菊
月見草の花
揺籃のうた

小さな木の実
赤い鳥小鳥
七つの子
かなりや
からすの赤ちゃん
かっこう
汽車
お山の細道
雨降りお月さん
月の砂漠
りんごのひとりごと
ばあや訪ねて
靴が鳴る
赤い靴
青い目の人形
十五夜お月さん
お星さま
肩たたき
子鹿のバンビ
ツキ

→トップに戻る

『季刊 まちりょく』は、(公財)仙台市市民文化事業団が2010~2021年に発行していた情報誌です。市民の方が自主的に企画・実施する文化イベント情報や、仙台の文化芸術に関する特集記事などを掲載してきました。『季刊 まちりょく』のバックナンバーは、財団ウェブサイトの下記URLからご覧いただけます。
https://ssbj.jp/publication/machiryoku/