インタビュー

市民の文化活動レポート
#04 仙台ニューフィルハーモニー管弦楽団

第78回定期演奏会(2025年11月)日立システムズホール仙台コンサートホールにて

仙台市内では音楽や舞台芸術、ボランティアやNPOなどの多様な団体が思い思いの文化活動を行っています。本特集「市民の文化活動レポート」では、様々な団体の取り組み内容や、活動に込めている想いなどをお伝えしていきます。
今年度は、主に市民オーケストラを取り上げます。第4回目は、旭ケ丘市民センターを拠点に活動する仙台ニューフィルハーモニー管弦楽団について団長(ホルン奏者)の熊谷仁さんに紹介していただきました。

楽団設立の経緯と活動内容を教えてください。

仙台ニューフィルハーモニー管弦楽団が創立したのは1981年です。1970年代後半に、宮城フィルハーモニー管弦楽団(現仙台フィルハーモニー管弦楽団)がプロ化した際、アマチュア活動の継続を希望するメンバーが中心となって立ち上げられました。現在は、定期演奏会を年2回開催しています。それに向けて、毎週火曜に合奏などの練習を行っているほか、本番指揮者を迎えたリハーサルを毎回6回程度実施しています。

オープニングコンサート(1982年4月)中新田バッハホールにて
※当時はまだオルガンは設置されていません

この活動(文化・芸術活動)が目標としていることと、楽団員について教えてください。

活動の目標は、個人および楽団の演奏力を上げること。そして、その成果を演奏会で聴衆に広く届け、講評をいただくことです。当団では演奏会のアンケートなどは収集しておらず、団員の知り合いなどから感想を伺う程度ですが、それが団員のモチベーションにつながります。
団員の経歴はさまざまで、大学時代に学生オーケストラに参加していた人が多いですね。毎週火曜の活動以外にも、それぞれ個人練習を行っていますが、管楽器や大型の弦楽器を自宅で奏でるのは難しいんです。そのため、拠点である旭ケ丘市民センターに隣接した日立システムズホール仙台のパフォーマンス広場を利用したり、ほかの団体にも所属して音出しの機会を確保したりしている団員もいます。

仙台フィルのコンサートマスターの西本さんのご指導による弦楽器の分奏(2024年2月)

活動で大切にしていることは何ですか。

演奏会のためのスポット的なものではなく、通年で活動することです。演奏会は年に2回なので、約半年かけて一つの演奏会に向けた曲作りをするわけですが、アマチュアにとってはそれでも十分な準備期間とは言えません。通年で演奏に取り組み、ほぼ全団員が楽曲研究向けのスタディスコアを持参して練習に励むなど、より深く曲を理解した上で演奏会に臨むようにしています。

これまでの活動で特に印象深いエピソードを教えてください。

東日本大震災後、音楽ホール再開の見通しが立たず、活動の場を失った時期があったのですが、団員の強い思いから短期間で代替施設を確保し活動を再開しました。慰問演奏などの依頼があったときに対応できるよう、一般的に好まれる楽曲を選んでの練習でした。日程の調整がつかず、慰問演奏は実現しませんでしたが、そのときのことはとても印象に残っています。活動再開後、仙台市内での最初の演奏会は2011年12月。音楽専用ホールではありませんでしたが、仙台国際センター大ホールで開催しました。このときの演奏会も思い出深いですね。

団員の勤務先の北山の東昌寺(畳敷きの会館)での練習風景(2011年5月)
第53回定期演奏会時の仙台国際センターのエントランス表示
第53回定期演奏会(2011年12月)仙台国際センターにて

今後の活動について教えてください。

毎年4月と10月頃に定期演奏会を行っています。ご依頼するプロの指揮者やソリストは、どなたも音楽面だけでなく、人間的にも素晴らしい方ばかりです。例えば、以前共演したジョンファンさんは、リハーサル時から非常に真摯に向き合ってくださり、アマチュアオーケストラへの客演にもかかわらず渾身の演奏を披露してくださいました。一方で、打ち上げでは日本語を交えたスピーチで盛り上げてくださったり、大変気さくに団員と交流していただきました。今後もそういったプロフェッショナルの方々の薫陶を受けながら活動していきます。

第74回定期演奏会(2023年11月)
ピアノ:ジョンファン・キム(第8回仙台国際音楽コンクール ピアノ部門第4位)
東京エレクトロンホール宮城・大ホールにて

掲載:2026年3月13日

取材:2025年9月

仙台ニューフィルハーモニー管弦楽団
・団体人数 80名(2025年12月1日現在)
・団体創立/1981年
・おもな活動実績
毎年4月と10月に定期演奏会を行うほか、これまで、旭ケ丘市民センターのセンターまつりや角田ベートーヴェン第九「喜びのうた」を歌おう会などからの依頼演奏を実施。通年で活動し、毎週火曜には定期演奏会に向けた合奏などを行っている。

公式サイトは以下をご覧ください。
https://jurassic.fool.jp/sendainewphil/