インタビュー

市民の文化活動レポート
#01 オーケストラ・ドゥ・センダイ

日立システムズホール仙台 コンサートホールでの第21回定期演奏会(2025年1月)
本番前に行われたリハーサルでの集合写真

仙台市内では音楽や舞台芸術、ボランティアやNPOなどの多様な団体が思い思いの文化活動を行っています。本特集「市民の文化活動レポート」では、様々な団体の取り組み内容や、活動に込めている想いなどをお伝えしていきます。
今年度は、主に市民オーケストラを取り上げます。第1回目は「参加しやすいオーケストラ」を合言葉に精力的な活動を行うオーケストラ・ドゥ・センダイについて、副団長の手島啓文さんに紹介していただきました。

活動内容を教えてください。

オーケストラ・ドゥ・センダイ(以下オケセン)は、音楽を楽しみ、自分たちの音を表現して、オーケストラの魅力である「みんなで合わせる喜び」を経験できる団体です。定期演奏会の開催、それに向けた合奏練習が主な活動。市民にとって身近な存在でありたい、そして一人ひとりが自立した「まちの音楽家」になりたいという思いから、近年は仙台市内の音楽イベントにも積極的に出演しています。

とっておきの音楽祭(2024年6月)
定禅寺ビルの前での演奏風景

この活動(文化・芸術活動)で大切にしていることを教えてください。

楽しみながら音楽活動に取り組むことです。私自身、大学時代からオーケストラを経験していますが、オケセンでは純粋に音楽を楽しんでいます。ほかのメンバーも、みんなで一緒に音楽をつくり上げようとする意識が高いですね。
音楽性を広げるために、得意な曲に偏らず、さまざまな楽曲に挑戦するのもオケセンの特徴です。お客様に楽しんでいただけるプログラムを意識しているので、テレビ番組などでよく使われる曲を演奏することもあります。近年取り上げた曲で言えば、ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」です。どの曲にも、それぞれ異なる難しさがあり、毎回産みの苦しみと面白さを感じています。

定期演奏会に向けた合奏練習(2023年12月)
日立システムズホール仙台 練習室にて

これまでの活動で特に印象深いエピソードを教えてください。

定期演奏会が終わったときの満足感は、オーケストラでしか味わえないものです。来場者アンケートでお褒めの言葉を見ると、これまでの練習が報われた!頑張ってきてよかった!と思いますね。
昨年、宮城県庁で行われている「県民ロビーコンサート」に出演させていただいたときは、お客様が「良かったよ」「どこに行けば演奏を聴けるの?」と声を掛けてくださいました。普段、直接感想を聞く機会があまりないので、とてもうれしかったですね。
また、以前、悪天候の中で演奏した際も、お客様が最後まで演奏を聴き会場を盛り上げてくださいました。観客の存在は団員の大きな力になっています。

完成した定期演奏会のポスターやチラシの仕分け作業も、楽団内で協力しながら行っている

今後の目標を教えてください。

私たちの活動を通して、仙台のまちをもっと活気づけることです。高尚なイメージを持たれがちなオーケストラですが、その敷居を下げて、純粋に音楽の良さや楽しさを地域の皆さんに広く発信していきたいと考えています。メンバーは、大学生・大学院生から経験を重ねたベテランまで幅広く、楽器を始めて間もない方や、ブランクを経て演奏活動を再開した方の参加も大歓迎なので、お気軽に練習の見学に来ていただきたいですね。次回の定期演奏会は来年2月の開催予定なので、ぜひお越しください!

定期演奏会に向けた合奏練習(2024年1月)
日立システムズホール仙台 交流ホールにて

掲載:2025年8月22日

取材:2025年6月

オーケストラ・ドゥ・センダイ
・団体人数 77名
・団体創立/2004年
・おもな活動実績
年1回の定期演奏会をはじめ、定禅寺ストリートジャズフェスティバルや市民センターまつりといった仙台市内の音楽イベントで演奏を披露。定期演奏会の本番約半年前からは、週1回のペースで合奏練習を実施する。オフシーズンも、合奏練習や団内アンサンブル大会の開催など、技術の向上を目的に精力的に活動。