インタビュー
アーティストとして
災害と向き合う
アーティスト・瀬尾夏美
被災地に住みながら、その土地の風景や文化だけでなく、見過ごされてしまいそうな人々の声に光を当ててきたアーティスト・瀬尾夏美さん。これまで岩手県陸前高田市や宮城県仙台市での活動を経て、2019年の東日本台風で水害・土砂災害に見舞われた宮城県丸森町にも滞在。見聞きしてきたその土地の災害のつめあとや歴史を、絵画や文章、写真や映像を通して形にしてきた。アーティストとして地域の人と共に災害と向き合うために、どのような方法を見出したのか聞いた。
掲載:2023年2月27日
取材:2022年11月
- 瀬尾 夏美 せお・なつみ
- 東京都出身。アーティスト。東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻修了。東日本大震災のボランティア活動をきっかけに、映像作家・小森はるかとの共同制作を開始。2012年より岩手県陸前高田市に拠点を移し、人々の言葉や風景の記録を取り込んだ作品制作を行ってきた。2015年には宮城県仙台市で東北の記録・ドキュメンテーションを考えるための一般社団法人NOOKを設立。2016年から宮城県丸森町に足を運び、戦後史や受け継がれてきた民話、土着的な信仰の在り方、自然環境の変遷などを調べ、丸森町に大きな水害をもたらした令和元年東日本台風を語り継ぐための作品展『山つなみ、雨間の語らい』を丸森町にある「蔵の郷土館 齋理屋敷」で開催。2022年3月に丸森町が発刊した『丸森町令和元年東日本台風災害記録誌』では表紙に絵が掲載された。著書に『あわいゆくころ ー陸前高田、震災後を生きる』(晶文社)、『二重のまち/交代地のうた』(書肆侃侃房)、『10年目の手記』(生きのびるブックス)ほか。