インタビュー
技であそび、技を慎む
こけし工人・佐藤 康広
セレクトショップやインテリアメーカーなど、これまでとは違う場で、新鮮なデザインの遠刈田(とおがった)こけしを目にすることが増えてきた。各所で耳にするのは、遠刈田系伝統こけしの工人・佐藤康広さんの存在。こけしに新たな風を、と尋ねると「先輩たちがやってきたことで遊んでいるだけ」と話す。伝統的工芸品の製作者として、先人たちから何を受け継ぎ、今どのように表現しているのか。佐藤さんの工房を訪ねて伺ってみた。
掲載:2023年3月1日
取材:2022年11月
- 佐藤 康広 さとう・やすひろ
- 青葉区芋沢出身。「仙台木地製作所」遠刈田系伝統こけし工人、木地師。父・正廣が師匠。高校卒業後、サラリーマンを経て34歳のとき退職し父に付いて木地の修業を本格的に始める。2010年から木地製品を製作、同年10月頃よりこけしも製作して発表。2011年「美術と工芸」研修に参加。ドイツのベルリン、ミュンヘン、ドレスデン他を歴訪し、工芸を視察。2012年から「れきみん秋祭り」(会場:仙台市歴史民俗資料館・榴岡公園)で製作実演。2013年日露若手工芸品作家交流プログラムにてロシアを訪問。ニジェゴロド州他の工芸品工場を視察。2017年「TOHOKU GIRLS」ライデン市(オランダ)のシーボルトボルトハウスにて彩色の実演。2017年「BEAMS japan-pop up store」イギリスロンドンのハーヴェイ・ニコルズにて轆轤実演。